肥後芋茎
原初的な女性用の大人のおもちゃ肥後芋茎(ひごずいき)
今でも、薬屋の店頭に「肥後芋茎あります」という張り紙が貼ってあるのを希に見る事があります。 その張り紙を見て、「あれのことか…」と直ぐに分かる方は、数少ないことでしょう。
この「肥後芋茎」は、様々な知恵を結集して創意工夫した秘具とは異なり、素材そのものを利用する意味では、誠に原初的な逸品と言える。 『和漢三才圖曾』(正徳3~1713)の「里芋」の項に、
芋の莖は、和名以毛加良、俗云、須伊木。
これを煮て食うに、柔にて味淡く甘し。皮を剥き、これを乾かせば正白色、干瓢の如し。
肥後の産、最も佳し。壮夫以て春意の用と為す。
とあります。 食べ物としても美味であると記されており、さらに「壮夫以て春意の用と為す」とも言っている。 「壮夫」とは成人男性を表し、「春意の用」とは大人のおもちゃの事。 かなり以前から「肥後芋茎」は女性用のディルド(こけし)として常用されていました。 九州肥後の名産品として有名ですが、幕末には全国各地でも栽培されるようになった。
『旅枕五十三次』(安政期1855頃)の「蒲原」の項に、
名物ひごずいき。女悦の具也。
此辺の名物にして、つねの芋がらとことかわり、其色しろくすべすべとしてやわらかく、至って美しくさらしたる物也。
まき方は、かしらよりかけ、あやをとりて根元にてとめる。
中にてふやけ、ぬきさしにきみよし。
とあり、これを男性器に巻いた男と飯盛女の性交している絵があります。 乾燥させた芋茎を、細く縦に割いて紐状にしたものを男性器に巻き付けています。 または、あらかじめ紐状の芋茎を湯に浸して柔らかくして温めてから、少し水気を絞って巻き付ける。
『旅枕五十三次』
このペニスサック的な使い方の効果は、先ず、
太くない奴を縛する肥後守
とあるように、男性器の太さを太くさせる為に使っている。
また膣壁との接触が軽減され、摩擦の刺激を男性自身に伝わりにくくなることから早漏防止効果も期待でき、さらなる持続力の強化にも使われていたようです。